膝の痛み

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変形性膝関節症、膝靭帯損傷、半月板損傷など、膝の痛みの早期発見・治療に努めます。

膝の痛みの原因

膝に痛みが起きる原因は、大きく、膝そのものに原因がある場合と、膝以外に原因がある場合にわけられます。膝そのものに原因がある場合は、怪我や損傷、炎症などから引き起こされ、痛みだけではなく、腫れたり、出血したり、水がたまったりといった症状が発生します。膝以外に原因がある場合は、肥満、O脚、X脚、股関節の病気、外反母趾、腰の病気などがあげられます。そして、こうした膝の痛みの中でも多く見られるのが、変形性膝関節症です。

変形性膝関節症

変形性膝関節症の原因は、原因のはっきりしない一次性のものと、原因のはっきりしている二次性のものに大別できますが、大部分は二次性によるものです。日本人は靱帯の位置や筋肉の線維が走っている方向などに特徴を持っており、比較的O脚になりやすい人種と言われています。O脚の状態は膝の内側に負担がかかり、関節軟骨が部分的にすり減っていくことで骨がこすれ合う状態に陥ります。痛みが徐々に増していくとともに、生体の防御反応が働いて骨が必要以上に硬くなってしまいます。最終的には、関節軟骨は消失し、関節は機能を果たさない状態になります。その他の原因としては、骨折、靭帯や半月板損傷などの外傷、化膿性関節炎などの感染症の後遺症として発症することもあります。

男女比は1:4で女性に多くみられ、高齢者になるほどその罹患率は高まります。主な症状は、膝に痛みが出て水がたまることです。初期症状では立ち上がったり、歩き始めの動作に痛みを感じます。中期になると、膝が痛くて階段を昇降できなくなったり、正座が痛くてできなくなります。末期においては、安静時にも痛みを感じ、関節の変形によって膝が伸びずに歩行が困難になってしまいます。

治療にあたっては、まず問診や診察、触診による膝の圧痛の有無や、関節の可動域、腫れ具合やO脚の変形状態をX線撮影やMRI検査によって診断していきます。
症状が軽い場合は、炎症や痛み止めの内服薬や外用薬を処方します。また、膝関節へのヒアルロン酸注射を行う場合もあります。痛みがあるからといって運動をしないと、筋力低下によりさらに痛む場合があるので、大腿四頭筋強化や関節可動域改善訓練といった運動器リハビリテーションを行います。このような治療でも治らない場合は、関節鏡(内視鏡)手術、高位脛骨骨切り術(骨を切って変形を矯正する)、人工膝関節置換術などの手術が検討されます。

膝靭帯損傷

交通事故やスポーツなどによって大きな力が加わったときに、膝の靭帯に損傷が生じます。膝には内側側副靭帯、外側側副靭帯、前十字靭帯、後十字靭帯という4つの靭帯があります。膝を無理に外側に向けられた場合に内側側副靭帯損傷が、無理に内側に向けられた場合は外側側副靭帯損傷を生じる可能性があります。また、ジャンプ着地時などにねじれが加わったりすることで前十字靭帯損傷が、交通事故などにより膝の後方への強いショックが加わった場合には後十字靭帯損傷が生じます。最も頻度が高いのは内側側副靭帯損傷であり、外側側副靭帯単独損傷は非常に稀なケースです。力の程度によっては複数の靭帯、半月板に損傷が及ぶこともあります。

初期症状としては、受傷後から3週間くらいの間、膝に痛みが出たり、腫れが見られたり、可動域制限などの症状が出ます。急性期を過ぎるとこれらの症状はいったん落ち着きますが、膝の不安定感が目立ってくるようになります。そのまま放置しておくと、痛みの慢性化を引き起こし、膝に水がたまるようになります。

治療にあたっての診断では、まず痛めた靭帯の状況膝の動きと反応、緩みの程度を確認します。膝の靭帯の緩みを数値化して評価する専用の機器を備えている場合は、これを用いて診断もします。画像診断では、MRI検査により膝の靭帯の状態を診断します。
治療方法は、損傷している靭帯とその具合によって判断されます。内側側副靭帯と外側側副靭帯の場合は、初期はギプスによって固定し安静にし、その後サポーターなどを装着して可動域訓練を行うといった保存的治療によって治癒する場合が多いです。後十字靭帯単独の場合は、まずは保存療法を試みます。しかし、前十字靭帯では治癒が難しいため手術を選択する場合が多いです。

半月板損傷

半月板は膝関節の大腿骨と脛骨の間にあり、骨と骨をつなぐクッションとなり安定させる役目を果たしています。比較的多いスポーツ外傷のひとつとして認知されており、半月板損傷は前十字靭帯損傷に合併することもよくあります。また加齢によって傷つきやすくなり、40歳以上ではちょっとした外傷でも半月損傷が起こるため、若者から高齢者まで広い年代の患者様が多いことが特徴といえます。
半月板を損傷すると、膝の曲げ伸ばしをする際に、痛みや引っ掛かりを感じるようになります。症状がひどい場合には、急に膝が動かなくなってしまい激痛で動けなることもあります。
X線撮影では半月板は写りませんので、半月損傷の疑いがある際はMRI検査を行います。

半月板には、軟骨にかかるストレスを減らす重要な役割があるため、できる限り温存することが治療では重要視されます。以前の治療法では半月切除術が主な治療法とされていましたが、半月切除後の長期間による経過観察で関節軟骨が傷むことが判明しています。安静、抗炎症薬の処方、リハビリテーションなど保存療法を行い、それでも症状が改善しない場合に手術治療を行います。手術には半月板縫合術と半月板切除術の2種類があり、関節鏡を使った鏡視下手術を行います。

当院では、整形外科分野における症状および疾患について幅広い診療を行っております。日常的な痛みから突発的な痛みまで、まずはお気軽にご相談ください。患者様と医師で、薬物療法、理学療法、運動療法、ブロック注射等、日常生活指導などエビデンスに基づき最適な治療の選択肢を模索していきます。

受診方法

当院では、整形外科分野における症状および疾患について幅広い診療を行っております。日常的な痛みから突発的な痛みまで、まずはお気軽にご相談ください。患者様と医師で、薬物療法、理学療法、運動療法、ブロック注射等、日常生活指導などエビデンスに基づき最適な治療の選択肢を模索していきます。

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